浜坂温泉保養荘 宿泊体験談
浜坂温泉保養荘に到着すると、玄関前に行幸啓記念碑などオブジェのように石碑がいくつか置かれているのが目に入り、静かな風景で、何だか特別な空間に来たような感覚です。

車を降りて玄関に入ると、ロビーに入る前にエントランスのウェルカムボードが迎えてくれます。
その日の宿泊予定客を大きく列記してあるのが目に入り、気恥ずかしいような嬉しいような…歓迎してもらっていることを実感する瞬間です。

フロントでチェックインすると、従業員が荷物を部屋まで運んでくれます。
浜坂温泉保養荘の客室にはそれぞれ号室名の他に植物の名前がついています。
たとえば101号室はつくし、102号室はたんぽぽ、103号室はわらび…といった具合です。
そして、この植物の名前と絵を入れた額が各客室に掲げられているのです。
これは楽しくお洒落な心配りだと思います。


一例として、私の宿泊した和室の様子をご紹介します。
客室の玄関の引き戸を開けて中に入ると、車椅子の人や足の不自由な人が腰掛けて部屋に入りやすいように、床が腰の位置位の高さになっています。
その為、普通に立って上がる人には高すぎるので、床の端に段が二段ほど付けられていて手摺がついています。

部屋に入ると、テーブルには一般的なお茶のセットと新聞のテレビ欄のコピー、それに保養荘関連のパンフレットや案内等が置かれてあります。
又、菓子鉢には、売店にも置かれているお菓子の「黒豆の合わせ焼」、それにお茶請けにおいしい椎茸のピリ辛佃煮が入っています。
この二つは何年も前から変わらないお茶菓子ですが、だからこそ「浜坂温泉保養荘に着いた」という実感が湧いたりするのです。
部屋の一番奥には、縁側になった廊下がついていてテーブルと椅子が二つ、廊下の端に洗面の設備があり、反対側の端は布団を入れる押入れとなっています。
縁側のサッシの向こうには川沿いの風景と庭の風景が広がっていて、ゆったりと寛げる雰囲気です。

お茶をいただいたり、入浴したりしているうちに夕食の時間を迎えますが、食事は前もって選択していた2階の広間か1階のテーブル席に出かけます。
畳では動きにくい私は迷うことなくテーブル席をお願いしました。
夕食ではアルコール類も少し注文して、盛り沢山なメニューに舌鼓を打たせてもらいました。
保養施設なのに、本当に美味しい!
満腹になって食事から帰ってくると、既に布団が敷かれてあり、ポットのお湯や、使用済みの湯呑みなどを変えてくれています。
テレビを見たりしながらゆっくり過ごし、寝る前にまた一風呂浴びるのですが、お風呂は22時30分まで。せっかくの温泉なのだから、もう少し遅くまで0Kならいいのにと思いました。
ただし、消灯がこの時間なので消灯後は廊下が暗くなりますが…
エアコンはスイッチが部屋にあり調節可能です。
保養荘側の集中管理になっている為、以前は消灯して暫く経つと冷房が切れて、夏場に寝苦しかったことがあるのですが、最近はそういうこともなくなり快適です。
また今回は真冬ということで寒さが心配でしたが、暖房がきいているので部屋の中は温かく、カーディガンも不要な位でした。
テレビは終日無料で視聴できます。
朝は、食堂での食事の支度ができる8時頃に放送で案内があります。
食事の間に、部屋では従業員の方が入られ布団の片付けなどがされるのですが、連泊の場合は布団はそのままで、ポットやお茶のセットの交換のみしてくれます。
又、浴衣と歯ブラシセット・新聞のテレビ欄のコピーしたものは毎日新しいのが配布されます。
連泊の場合は昼食も用意してもらえるので、外出の予定がなかったり湯治が目的等の場合、一日中保養荘の中にいても食事の心配をすることもなく、ゆっくり過ごせるので助かります。
浜坂温泉保養荘のメインである温泉は浴室棟に集中していて、浴室は大中の二つがあります。
ここは、男湯と女湯が前夜と入れ替わる形式になっており、日替わりで朝からは違った雰囲気のお風呂を楽しめます。


10時前後の清掃時間を除いては、日中もずっと入浴可能なので何回でも入ることが出来る為、湯治には最適です。ただ、温泉に浸かるのは一日三度がベストだそうですので入りすぎてもダメなようですね。
二つの浴室のどちらにも、身体が不自由な人が脱衣してからそのまま洗い場に行けるという構造の特別な脱衣場と、浴槽直通の洗い場が設けられていますので、浴室の洗い場を歩いて滑るというような心配もなくスムーズに入れます。
一般の温泉と違って入浴が全く苦になりません。


二つある介護浴室では、自分で入ることのできない人の為に介護者が一緒に入り、リフトを使うこともできるようになっています。
入浴中は「使用中」という札をかけることができるので、ゆっくり入ることができます。
浜坂温泉保養荘は料理もおいしく、宿泊料金もリーズナブルです。
設備面でも全般において整っているので、のんびり過ごすには一番の施設であることを実感しました。
リピーターも大変多く、一度行くと浜坂温泉保養荘は保養先の定番となるようです。
私の宿泊した時も、滞在棟ではなく普通の客室で6連泊されている方もいらっしゃいました。
兵庫県北部というと、積雪が多い時期があるのですが、浜坂の海岸の方では積雪量は多くなく、積もってもすぐ融けるそうです。
私が今回行った時は1月初旬で年末年始に降った雪がまだ多少残っていて、従業員の方が雪かきが大変だったことを明かしておられました。
冬場での車での往復は山越えする時の雪の心配がありますが、少なくとも浜坂温泉保養荘の中では快適に過ごせます。
ただ驚いたのは、数分降っただけの雪が見る見る積もることです。
雪の気がなかった地面や周りの風景が一瞬で真っ白になるので、そういうことは私の住んでいる地域にはないことです。

一晩で1.5mも積もることがあるとおっしゃった方の言葉は嘘じゃないことが実感できました。
雪といえば湯村の山手の方や、豊岡、神鍋等は大変雪が多く、今回通ってみて雪国の大変さを実感しました。


又、普段は静かな海が、天候や季節により激しく荒れ狂うという自然の壮大さを目の前でみることができ、驚きと感動で時間を忘れて波に見入ってしまいます。


夏と冬の環境のあまりの違いに改めて、浜坂温泉保養荘のあるこの地域の自然に奥の深さを感じました。
